トイレに行くと、
必ず、トイレの出入り口付近で待つクズ太郎。
なんでここで待つんだろう?
といつも不思議だった。
ある時、手を洗おうと思ったところ、
トイレをうかがうようなクズ太郎の姿が鏡に映っていた。
その建物のトイレの構造上、
トイレの出入り口付近が鏡に映るようになっているため、
クズ太郎の姿が鏡越しに見えたのだ。
その鏡に、
トイレの出入り口のギリギリに立ち、
何とも言えないいやらしい気持ちの悪い顔をしたクズ太郎が、
何かを盗み聞くような動きをしていた。
あいつ、何してんだ!?
と驚いて、一瞬動きが止まってしまった。
私のほかにもトイレを利用している人がいた。
その誰かが流した音などがすると、
クズ太郎がニタニタと笑う。
ほんとに気持ちが悪かったし、怖かった。
わざと、コツコツと足音を鳴らし、
手を洗う場所に行ったら、
クズ太郎がハッとして動いたため、
鏡からクズ太郎の姿が消えた。
あの時、いったいクズ太郎は何をしていたんだろうと
ずっと疑問だった。
ある日、
『恋人でも、友達でもどっちでもいいんだけど、
女性と2人で遊びに行ったときに、
相手がトイレに行くよね。
どこで待ってる?トイレの目の前?』
と私が男友達に聞くと、
『トイレから離れた場所かな。
出入り口付近では待たないよ。
だってさ、自分の連れ以外の女性も入ってるわけだし、
トイレの出入り口付近に男が立ってたら、
女性は気分悪いし、怖いでしょ。
だから、女性トイレの出入り口付近には
絶対に近づかないな』
等と言う。
『それって、誰かから教えられてそうしてるの?』
と私が聞くと、
『誰に聞いたとかじゃなく、嫌だろうなって思って。
いつからそう思ったのかは覚えてないけど』、
『女性トイレの出入り口付近で待ってた時、
出入りする女性ににらまれたことがあるんだよね。
にらまれた意味が分からなくて、女友達に聞いたら、
トイレの出入り口に立ってる男って変態かと思うし、
気分悪いし怖いじゃない。とか言われたんだ。
だから、女性って嫌なんだって思ってやめた』
等、自ら気がついてそうしない人と、
人に言われた人と、意見は様々。
とにかく、皆、何かで女性トイレの出入り口付近には
いないほうがいいいと学んだらしい。
『クズ太郎は、いつもトイレの前で待ってるんだよ。
しかもね、この前なんて。。。』
とトイレの中を探るようなことをしている話をした。
『あぁ、、、それはたぶん、そういう系じゃないかな』
と友人が言う。
『そういう系って何?』と私が聞くと、
『うーん、、、
あのね、そういう女性のトイレのことで興奮する人がいるんだよ。
クズ太郎って、そういうタイプなんじゃない?』
と友人が答える。
『えっ!?何それ!???
すっごい気持ち悪いんだけど』
と女性陣が皆引いている。
もちろん、私も引いた。
『たいがい女性は引くと思うけど、いるんだよね。
そういう変態にしか分からない世界があってね、
女性はそういうの知らないからあれかもしれないけど、
そういう人用のそういうのもあるからね』
と友人が、そういうことが嫌いな私のために
言葉を濁しながら説明をする。
『じゃあ、クズ太郎がトイレで何か聞き耳立ててたっぽいのって、
そういう欲を満たすためにしてたってこと?』
と私が聞くと、
『そういうこと。
他にも、そういう男いたよ。
トイレから出た後、ニヤニヤしながら、
さっき、してる時の音聞こえたよって言ってきてさ、
ほんっとーーーに気持ちが悪くて、
それ以来、会うのやめた人がいた』
と友人が言う。
『え!?なにそれ!???
気持ち悪すぎて、怖いんだけど』
等と、女性陣から悲鳴交じりの非難の声が相次ぐ。
『ほらね、そういう音聞こえると喜ぶ変態がいるんだよ。
あ、ちなみに、俺は違うよ』
等と、各々『自分はそうじゃない』と否定しだす。
どっちでもいいけど、気持ち悪いよ。
趣味嗜好は人それぞれ。
何を好もうとどうでもいいけれど、
ただ、そういうのはさ、そっと心にしまっておくか、
男同士で話してほしい。
なぜ女性に言うんだ????
『なんでわざわざ女性に話すの?』と聞くと、
『その時の女性の反応を楽しんでるとかかな。。。
色々な趣味の方がいるからね』
と友人が答える。
さらに友人が
『クズ太郎本人に、
そういうのがあるのか聞いてないから
ほんとにそういうのが好きな人かは分からないけど。
でも、話を聞いてるとクズ太郎ってどうも童貞っぽいから、
そういう女性経験ない人って、
そういうことでも興奮するからね。
例えば、経験ない状態だと、
ちょっと女性の胸元が見えただけで興奮するんだよ。
経験があると、それくらいじゃどうとも思わないんだけど。
だから、未経験者って
ちょっとしたことが興奮材料になるんだよ。
それに、経験者は、
なんとなくトイレ系って汚い感じがするから
そういうことに興味を示さないんだけど。
でも、色々な人がいるから経験者でも好きな人いるけどね』
と友人が困った顔をして答える。
『でも、もしクズ太郎がそうじゃないって言うなら、
そもそも、人が誤解する様なことはしなきゃいいんだよ。
クズ太郎って、何しても許されるとかそういうことを思って
行動しているから、結局こうなる。
どういう行動をすると人がどう思うかとか普段から
考えてないから、こういう誤解を招くようなことになるんだよ。
クズ太郎の言葉を借りれば、自業自得ってやつ』
と言っていた。
結局、皆、なんでも言葉で教わっているわけではない。
人を気遣うことで自分の行動を改める。
やっぱり、クズ太郎って何も分かってないな。
『トイレの前で待つのやめて』と言っても
『あなたからしか聞いたことがない。』等と言って
話しにならないだろうと思ったため、何も言わなかった。
それに、私たちの常識とクズ太郎たちの常識は
ずいぶん違うため、お互いが納得することはない。
だから、
『クズ太郎に私のことは理解出来ない。
クズ太郎の手には負えない。私に関わらないでほしい』
と何度も言ったのだ。
それを、『俺のことを何も知らないのに失礼』
と言い、自分を押しつけた。
そういう行為自体が、
『人のことへの理解がないからだ』
となぜ気がつかないのだろう。
そういえば、
たまに、トレイの前で待っているクズ太郎のことを
ギョッとした顔をして見ている男性も数人いた。
その行動に驚いたのか、クズ太郎の異様な容姿に驚いたのか
詳細は不明だけど。
※文中に登場するクズ太郎は
『元カレ』ではありません。
ただのキチガイストーカー妄想虚言変出者です。